クマ取りは局所麻酔のみで受けられる?痛みの実際と静脈麻酔(眠る麻酔)を当院が使わない2つの理由 | 東京都上野御徒町の美容外科美容皮膚科エールクリニック|AILE Clinic

コラム

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2026.08.24

#目元

クマ取りは局所麻酔のみで受けられる?痛みの実際と静脈麻酔(眠る麻酔)を当院が使わない2つの理由

「目の下のクマは治したいけど静脈麻酔(眠る麻酔)は怖い」

「局所麻酔だけで本当に最後まで耐えられるのだろうか」

クマ取りを受けようと考えている方の中には麻酔について不安を抱えている方もおられるかもしれません。

広告では「眠っている間に終わります」という表現をよく目にしますが、では眠らずに受けることはできないのかというのが率直な疑問だと思います。

結論から言えば、目の下のクマ取り(経結膜脱脂術)は、静脈麻酔を使わず、点眼麻酔・笑気麻酔・局所麻酔の3つの組み合わせだけで完結できる手術であり、東京上野御徒町のAILE Clinicではすべての症例をこの方法で行っています。

そしてそれは静脈麻酔を用意できないからではなく、眠らずに受けていただくほうが、仕上がりの精度も、体への安全性も高められると考えているからです。

この記事では、局所麻酔のみで受けるクマ取りの痛みの実際、当院が静脈麻酔を採用しない医学的な理由、当日の流れまでを、眼科出身の美容外科医の井原力哉がご説明します。

クマ取り(経結膜脱脂)は局所麻酔のみで受けられます

目の下のふくらみによる影クマの治療として広く行われている経結膜脱脂術は、まぶたの裏側(結膜)を切開し、突出した眼窩脂肪を取り出す手術です。

皮膚を切らないため表面に傷が残らず、手術時間は両目で30分前後が目安になります。

この術式は、全身麻酔や静脈麻酔がなければ実施できない手術ではありません。

米国国立医学図書館(NCBI)が公開する臨床レビュー StatPearls においても、経結膜下眼瞼形成術は局所麻酔のみで実施しうる術式として記載されており、患者の快適さを確保するため全身麻酔または静脈麻酔が使用されることもあります1

当院では、この手術を次の3段階の麻酔で行っています。

① 点眼麻酔:まぶたの裏側と眼球表面の知覚をやわらげる
② 笑気麻酔(笑気吸入鎮静法):意識と会話を保ったまま、緊張と恐怖をやわらげる
③ 局所麻酔(極細針・低速注入):手術部位の痛みを確実に遮断する
いずれも手術費用に含まれており、麻酔の追加料金はいただいておりません。

局所麻酔のみだと痛い?3段階で痛みを消していく仕組み

痛みの不安は、注射そのものの痛みと手術中の痛みに分けて考えると整理しやすくなります。

点眼麻酔で器具が触れる感覚を先に消す

まず、目薬タイプの表面麻酔をさします。

数十秒で結膜(まぶたの裏側)と眼球表面の知覚が鈍り、この後に器具や針が触れる際の触られている感じを減らすことが可能となります。

点眼麻酔は眼科の日帰り白内障手術でも標準的に用いられている、負担の小さい麻酔です。

笑気麻酔で「怖い」という気持ちを鎮める

次に、鼻マスクから亜酸化窒素(笑気)と酸素の混合ガスを吸っていただきます。

日本歯科医師会の解説によれば、笑気吸入鎮静法は高濃度の酸素とともに笑気を吸入する方法で、全身麻酔とは異なり治療中も会話ができ、鎮静作用に加えて鎮痛作用も併せ持ちます2

つまり、意識をなくすことなく、不安と痛みの感じ方だけが下がっている状態をつくれるということです。

吸入をやめれば笑気は数分で体外へ排出されるため、術後にふらつきを引きずりにくいのも特徴です。

局所麻酔は極細針でゆっくりと

点眼麻酔と笑気麻酔が十分に効いた段階で、極細の注射針を用い、下まぶたの結膜側から局所麻酔薬を少量ずつ注入します。

注射の痛みは針の太さだけで決まるものではありません。

薬液が組織に入るスピードと、薬液そのものの刺激(温度・pH)が大きく影響します。

当院では注入速度を意図的に落とすことで、ズキンと押されたりしみたりという感覚を抑えています。

クマ取り施術での痛みのヤマはこの段階です。

それでも残る押される感覚

麻酔が十分に効いていても、脂肪を引き出すときの鈍い圧迫感・引っぱられる感覚は完全にはなくなりません。

これは痛覚ではなく深部の圧覚によるもので、局所麻酔で消しきることが難しい種類の感覚だからです。

これを「痛み」と認識される方もおられますが、事前にこの感覚を知っているかどうかで、体感は驚くほど変わります。

もし仮に痛みを強く感じられる場合は、麻酔薬を追加することも可能ですので、施術中に口だけ動かしてこちらにお伝え下さい。

それであれば最初から多めに局所麻酔薬を入れれば良いのではないかと思われるかもしれませんが、局所麻酔を過剰に入れると局所麻酔中毒のリスクがあがり、重篤な症状となると意識消失や心停止が起こりかねません。

米国食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)がもっとも推奨する中毒発生予防策は、投与量を制限することであることであると、日本麻酔科学会のプラクティカルガイドにも記載されております3

したがって、当院では安全性を重視して、最初から多くの局所麻酔薬を使用するのではなく適量を使用し、もし麻酔が効きにくい場合には適宜追加を行うという方針を取っております。

当院が静脈麻酔(眠る麻酔)を採用しない2つの理由

はじめにお断りしておきますが、静脈麻酔そのものは適切な人員・設備・モニタリング体制のもとで行われれば有用な麻酔法でありこれを否定するものではありません。

ただし、「目の下のクマ取り」という手術に限っては、眠っていただかないほうが患者様にとって利益が大きいと当院では判断をしております。

手術の最後に起き上がってのチェックができないから

眼窩脂肪は、重力の影響を非常に強く受けます。

仰向けで寝ている間は脂肪が眼窩の奥へ落ち込むため、ふくらみが実際より軽く見えてしまいます。

この状態だけを見て切除量を決めてしまうと、脂肪を取りすぎて凹みが強くなったり、逆に取り残しが発生してしまう可能性が高くなります。

だからこそ、下眼瞼形成術の術前デザインは座位(上体を起こした状態)で行うことが標準とされており、文献においても術前デザインは座位で正面を見た状態と上を見た状態の両方を確認してマーキングしたことが記載されています4

デザインを座位で行うのであればその答え合わせも座位で行うべきだ、というのが当院の考えです。

当院では、手術の終盤で必ずベッドを動かして上体を起こしてからチェックを行います。

さらに目を開けたり閉じたり、正面を見たり、上を見たりなど様々なところから評価を行っていきますが、静脈麻酔で眠ってしまうとこの工程を行うことが困難となります。

眼窩脂肪は、内側・中央・外側という3つの区画(コンパートメント)に分かれていますが5、この3つは同じ量だけ突出しているわけではありません。

40例を対象とした日本国内の論文では、摘出された脂肪量は左右とも外側の区画が最も多く、区画間に統計学的な有意差が認められたと報告されています6

意識がはっきりしていれば、少し上を見てください、正面に戻してください、という指示にその場で応じていただけますが、この目を動かしての確認こそが、仕上がりを良くするための鍵になります。

手術による腫れや麻酔の影響で、患者さんご自身では鏡で見ても判断がつきませんので執刀医のほうで判断を行っていきます。

ヒアルロン酸注入など腫れがほぼ出ない施術であれば、患者さんに鏡でチェックをしてもらい、必要に応じてその場で微調整するというのは有用ですが、クマ取り手術の場合は患者さんに術中鏡でチェックしてもらうというのはパフォーマンスに過ぎず、あくまで執刀医が判断すべきと考えております。

鎮静には呼吸抑制や気道閉塞のリスクが伴うから

静脈麻酔で用いられる鎮静薬は、量が増えるほど呼吸を抑制する性質を持っています。

日本麻酔科学会の安全な鎮静のためのプラクティカルガイドは、鎮静のレベルが一様ではなく意図した以上に深くなり得ること、そのため気道確保・換気の技術と厳重な全身モニタリング、緊急時のバックアップ体制が不可欠であることを示しています7

また、厚生労働省も、周術期における循環器系・呼吸器系の管理経験が少なく、術中出血や呼吸不全などの緊急事態に対応できない医師が全身麻酔下で手術を行っている事例や、緊急時に対応できる病院等との連携体制が構築されないまま侵襲性の高い治療が行われている事例が、生命・健康に対するリスクが非常に高い事例として注意寛解を行っております8

クマ取りは、命に関わるリスクを引き受けてまで急いで受けなければならない手術ではありません。

自発呼吸と意識が保たれた状態で、手術ができるのであればそれに越したことはありません。

静脈麻酔を併用する場合と局所麻酔のみの場合の比較

同じ経結膜脱脂術でも、麻酔の選び方によって当日の過ごし方や術中にできることが変わりますが、麻酔方法そのものの違いを整理しました。

比較項目静脈麻酔(眠る麻酔)を併用点眼+笑気+局所麻酔
術中の意識意識が消失し応答できない意識は保たれ会話ができる
痛みの抑え方中枢神経の抑制により意識を消す表面麻酔・鎮静・浸潤麻酔で段階的に遮断
術中の座位確認上体を起こしての確認は困難座位確認がやりやすい
視線を動かした確認指示に応じた眼球運動ができない上方視・正面視で動的にチェックできる
呼吸・気道呼吸抑制や気道閉塞のリスクがある自発呼吸が保たれる
術前の絶飲食必要原則不要
術後の状態ふらつきや眠気が残ることがある回復が早くそのままご帰宅いただける
麻酔にかかる費用別途追加費用(3~10万円程度のことが多い)が発生することが多い手術費用に含まれているか、追加となったとしても1万円以下の費用

※ 上表は麻酔方法の一般的な特性を整理したものであり、特定の医療機関との優劣を比較するものではありません。実際の内容は医療機関ごとに異なります。

静脈麻酔の費用はなぜ高い?

比較表の最後に「麻酔にかかる費用」の項目を挙げましたが、少し掘り下げてご説明します。

静脈麻酔を併用する場合、手術費用とは別に麻酔料金が設定されているのが一般的で、その額は数万円から十数万円と、医療機関によって大きな幅があります。

金額そのものより大切なのは、その費用が何に対して支払われているのかを理解しておくことです。

静脈麻酔の追加費用は、鎮静薬の薬剤費でほぼ決まる、というものではありません。

実際にコストの大部分を占めるのは、次のような体制の維持費です。

  • 麻酔を管理する医師(麻酔科医など)の人件費
  • 心電図、血圧計、パルスオキシメータなどの監視機器
  • 気道確保器具、バッグバルブマスク、酸素、拮抗薬、救急カートといった急変時の備え
  • 術前の診察や検査、術後に覚醒を待つための回復スペースと見守りの時間


日本麻酔科学会の「安全な鎮静のためのプラクティカルガイド」は、鎮静を安全に行うには厳重なモニタリングと、緊急時のためのバックアップ体制の整備が必要であることを示しています9

つまり静脈麻酔の料金とは、眠らせる薬の代金ではなく、眠っている間にあなたの呼吸と循環を誰かが専任で見張り続けるための費用です。

鎮静下の手術で最も重要なのは、患者様の呼吸が止まりかけていないかを絶えず監視し続けることですが、執刀医が麻酔の見張り役を兼ねることはできません。

米国メルク社が編纂し医療者向けに公開されている『MSDマニュアル プロフェッショナル版』は、処置時の鎮静・鎮痛について、患者のモニタリングに責任を持って当たる専従の観察者を必ず指名すること、そして処置を行う術者がその専従の観察者を兼ねることはできないと明記しています10

同じ考え方は国内の学会指針にも示されています。

日本歯科麻酔学会の「歯科診療における深鎮静プラクティカルガイド」では、深鎮静を行う者が治療を兼任すべきではなく、訓練を受けた別の者が患者をモニタリングしなければならないこと、そして安全な深鎮静は施行者ひとりでは成立せず、術者と鎮静担当者が協力して初めて可能になることが述べられています11

つまり、静脈麻酔を適切に行おうとすれば、執刀医のほかに麻酔科医をもう一人手術のあいだ拘束することになりますので、静脈麻酔の費用が上がるのは当然なのです。

麻酔科医のいない静脈麻酔に注意

美容外科において麻酔料金は競争が起きやすい項目である一方、コストの大半は人件費です。

価格を下げようとしたとき、真っ先に削減の対象になるのは監視体制そのものになります。

この点については、公的な実態調査が具体的な数字を示しています。

厚生労働省が「美容医療の適切な実施に関する検討会」に提出した医療機関向け実態調査(417施設が回答)では、全身麻酔や静脈鎮静を併用する侵襲の大きな施術を実際に行っている81施設においても、38.3%が麻酔・全身管理に関する研修なしと回答しており、その理由として最も多かったのは「研修の必要性を感じないから」(22.6%)でした12

この調査項目は脂肪吸引や豊胸手術など侵襲の大きな施術を対象としたもので、クマ取り手術そのものの数値ではありません。

ただし、鎮静薬を使う以上、呼吸抑制のリスクは手術の大小では決まらないという点は共通しています。

もちろん、麻酔科医が常勤し、大学病院に準じた監視体制を整えたうえで静脈麻酔を提供している美容クリニックもありますが、問題は外から見ただけではその違いが分からないことです。

静脈麻酔を検討するならこの3つを確認

他院で静脈麻酔を勧められた場合、遠慮せず次の3点を質問してください。

安全な体制を整えている医療機関であれば、いずれも即答できる内容です。

  1. 手術中、麻酔の管理は誰が担当しますか。執刀医とは別の人ですか。 その方は麻酔科標榜医または麻酔科専門医ですか。
  2. どのようなモニターを使い、誰がそれを見続けますか。 呼吸が止まりかけたとき、気道を確保する器具と手順は用意されていますか。
  3. 麻酔料金には何が含まれ、術前検査や術後の回復室の費用は別途かかりますか。


消費者庁も、美容医療を受ける前に確認したい事項として、効果だけでなくリスクや副作用を知って納得したか、他の施術方法や選択肢の説明を受けて自分で選択したか、という点を挙げています13

一方当院では静脈麻酔ではなく点眼麻酔+笑気麻酔+局所麻酔で行っているため、麻酔科医を配置する必要がなく麻酔の追加費用も発生しません。

眠らずに受けていただくほうがクマ取りにおいては仕上がりも安全性も高められると当院では捉えております。

局所麻酔のみで受けるクマ取りの当日の流れ

1.診察・カウンセリング:クマのタイプ(影クマ・青クマ・茶クマ)を鑑別し、脱脂の適応があるかを医師が判断します。座位で目の下の状態を確認し、治療方針をご説明します。

2.予約またはお会計:後日に施術を受けられることが決まっている場合は予約の手続きとなり、当日に施術を行う場合はお会計から施術に進みます。

3.準備:洗顔でメイクを落とし、術前の写真撮影を行い、マーキングや説明を行っていきます。

4.点眼麻酔:目薬の麻酔をしていきますが、数十秒で効いてきます。

5.笑気麻酔の開始:鼻からチューブを装着し、笑気ガスの吸入を始めます。深く鼻呼吸を続けていただくと、数分で緊張がほどけていきます。

6.局所麻酔:極細針で、下まぶたの結膜側にゆっくりと麻酔薬を注入します。ここが最も緊張しやすい場面ですが、笑気が効いた状態で行います。

7.手術:結膜側を切開し、3つの区画から適量の眼窩脂肪を取り出します。皮膚は切りません。

8.座位での確認:上体を起こし、鏡を見ながら左右差と残存量を確認します。必要に応じて微調整を行い終了します。

9.ご帰宅:体調を確認したうえでご帰宅いただきます。

なお、静脈麻酔と異なり術前の絶飲食はAILE Clinicでは不要としておりますが、クリニックによっては絶飲食が必要となる可能性もございますので適宜確認を取りましょう。

クマ取り手術についての詳細

東京上野御徒町のAILE Clinicでの切らないクマ取り(目の下の脂肪取り)は脂肪が突出したいわゆる黒クマに対して効果的な施術です。

皮膚のタルミが強い場合には下瞼の際の皮膚を切開する下まぶたのタルミ取り(下眼瞼除皺術)が必要となる場合もありますが、多くの方は皮膚切除までは不要であり瞼の裏側(結膜側)からのアプローチで皮膚に傷を作らずに治療ができます。

他の原因によるクマに対しては注射など別の施術で対応を行いますが詳しく知りたい方は、目の下のクマの取り方やセルフケアを黒クマ青クマ茶クマ赤クマのタイプ別に医師が紹介もお読み下さい。

AILE Clinicでのクマ取り(経結膜脱脂)の症例写真がこちらです。

クマに対する目の下の脂肪取りの背術前と1ヶ月後の症例写真

目の下の脂肪取り施術前と1ヶ月後の症例写真
通常料金:税込220,000円
リスク副作用:腫れ、内出血など

現在AILE Clinicでは目の下の脂肪取りのモニターキャンペーンを実施中で、通常価格の税込220,000円からモニター割引で税込99,000円とお安い価格で受けることが可能となっております。

この価格には、麻酔代(点眼麻酔、笑気麻酔、局所麻酔)が含まれており、脂肪を何箇所取っても料金は一律となりますのでご安心下さい。

眼科出身である院長の井原が自らカウンセリングや執刀を行いますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

クマ取り術後のダウンタイムとホームケア

  • 麻酔が切れた後の痛み:局所麻酔の効果が薄れる数時間後から、鈍い痛みや違和感が出ることがあります。処方する鎮痛薬でコントロールできる程度がほとんどです。
  • 腫れ・内出血:術後2〜3日がピークで、1〜2週間かけて落ち着いていきます。まぶたの裏の内出血が白目に出ることもありますが、自然に吸収されます。
  • 冷却:術後48時間は保冷剤をタオルで包み、目の周りをやさしく冷やしてください。強く押し当てないことが大切です。
  • コンタクト・アイメイク:コンタクトレンズは1週間経過してから、メイクは施術翌日から可能です。
  • 受診の目安:強い痛みが増していく、視力の低下、片側だけ急激に腫れるといった症状があれば、すぐにご連絡ください。


クマ取りのダウンタイムやリスクについて詳しく知りたい方は、クマ取りのダウンタイムはいつ終わる?腫れの状態や過ごし方を医師が解説クマ取り治療の4つのデメリット【後悔しないようメリットも含めて医師が徹底解説】もお読み下さい。

クマ取りでクリニックを選ぶ前に、確認しておきたいこと

美容医療は自由診療であり、内容も価格も医療機関ごとに大きく異なります。

消費者庁は、美容医療を受ける前に確認したい事項として、使用する薬の内容、効果だけでなくリスクや副作用、他の選択肢の説明、そして「その施術は今すぐ必要か」の4点を挙げています13

また、美容医療に関する相談は近年増加傾向にあり、国民生活センターにも契約や施術に関する相談が数多く寄せられています14

即日契約を迫られていないか、麻酔の方法とその理由を医師本人から説明されたかは、必ずご自身で確認してください。

当院では、カウンセリングを医師が担当し、麻酔の方法と根拠、想定される合併症を必ずご説明したうえで、お持ち帰りいただいてご検討いただく時間を取ることも可能ですし、当日に施術をご希望される方にも対応を行っております。

クマ取りと静脈麻酔についてよくある質問(FAQ)

Q1. クマ取り(経結膜脱脂術)は局所麻酔だけで受けられますか?

A. はい、受けられます。経結膜脱脂術は全身麻酔や静脈麻酔がなければ実施できない手術ではありません。AILE Clinicではすべての症例を、点眼麻酔・笑気麻酔・局所麻酔の3つの組み合わせのみで行っています。

Q2. 局所麻酔のみのクマ取りだと痛くないですか?

A. 痛みは3段階で抑えていきます。まず点眼麻酔で結膜と眼球表面の知覚を鈍らせ、次に笑気麻酔で緊張や恐怖をやわらげ、最後に極細針でゆっくりと局所麻酔薬を注入します。痛みのヤマは局所麻酔の注射の場面ですが、点眼麻酔と笑気麻酔が十分に効いた状態で行います。

Q3. 笑気麻酔をすると意識がなくなりますか?

A. なくなりません。笑気吸入鎮静法は高濃度の酸素とともに笑気を吸入する方法で、全身麻酔とは異なり治療中も会話ができます。鎮静作用に加えて鎮痛作用も併せ持ち、吸入をやめれば数分で体外へ排出されるため、術後にふらつきを引きずりにくいのが特徴です。

Q4. クマ取り手術中に痛みを強く感じたらどうすればよいですか?

A. 局所麻酔薬を追加できますので、施術中に口だけ動かしてお伝えください。

Q5. 最初から多めに局所麻酔をクマ取りで入れてもらうことはできませんか?

A. 安全性の観点からお勧めしていません。局所麻酔を過剰に投与すると局所麻酔中毒のリスクが上がり、重篤な場合は意識消失や心停止が起こりかねません。FDAが最も推奨する中毒予防策も投与量の制限であるため、当院では適量から始め、効きにくい場合に適宜追加する方針を取っています。

Q6. なぜ静脈麻酔(眠る麻酔)を採用していないのですか?

A. 理由は2つあります。①手術の最後に上体を起こして仕上がりをチェックする工程が行えなくなるため、②鎮静には呼吸抑制や気道閉塞のリスクが伴うためです。静脈麻酔そのものを否定するものではなく、クマ取りという手術に限っては眠らないほうが患者様の利益が大きいと判断しています。

Q7. クマ取りで座っての確認はなぜ重要なのですか?

A. 眼窩脂肪は重力の影響を強く受け、仰向けでは脂肪が眼窩の奥へ落ち込んでふくらみが実際より軽く見えます。その状態だけで切除量を決めると、取りすぎによる凹みや取り残しが起こりやすくなります。下眼瞼形成術の術前デザインは座位で行うのが標準とされており、その答え合わせも座位で行うべきというのが当院の考えです。

Q8. クマ取り手術中に自分で鏡を見て確認できますか?

A. 当院では、腫れや麻酔の影響があるため、術中の最終判断は執刀医が行うべきと考えています。ヒアルロン酸注入のように腫れの出ない施術であれば患者様ご自身の鏡チェックは有用ですが、クマ取り手術では患者様が鏡で判断することは困難です。

Q9. 静脈麻酔の追加費用はなぜ高いのですか?

A. 費用の大部分は薬剤費ではなく、麻酔のための体制の維持費です。麻酔を管理する医師の人件費、心電図・血圧計・パルスオキシメータなどの監視機器、気道確保器具や救急カートといった急変時の備え、術前検査や術後の回復スペースなどが含まれます。執刀医が麻酔の見張り役を兼ねることはできず、麻酔科医をもう一人手術中拘束することになるためですが、美容クリニックの中には麻酔科医なしに静脈麻酔を使用するクリニックも存在するため要注意です。

Q10. 他院で静脈麻酔を勧められた場合、何を確認すればよいですか?

A. 次の3点をご質問ください。①手術中の麻酔管理は誰が担当するか(執刀医とは別の人か、麻酔科標榜医・専門医か)、②どのようなモニターを使い誰が見続けるか、呼吸が止まりかけたときの気道確保の器具と手順はあるか、③麻酔料金に何が含まれ、術前検査や回復室の費用は別途かかるか。安全な体制を整えている医療機関であれば、いずれも即答できる内容です。

Q11. クマ取り術前の絶飲食は必要ですか?

A. 静脈麻酔を使用しないAILE Clinicでは不要です。ただしクリニックによっては必要となる場合もありますので、施術を受ける医療機関にご確認ください。

まとめ

目の下のクマ取り(経結膜脱脂)は、静脈麻酔なしで完結できる手術であり、当院は点眼麻酔・笑気麻酔・局所麻酔の3段階で痛みに対処いたします。

眠らないからこそ、手術の最後に上体を起こして確認し、視線を動かしながら細かく微調整できます。

自発呼吸と意識が保たれるため、呼吸抑制や気道閉塞といった全身リスクを避けら、絶飲食が不要で、術後の回復も早く、麻酔の追加費用もかからないというメリットもあります。

「眠っている間に終わる」という言葉は確かに魅力的です。

しかし、手術の最後に上体を起こしてのチェックがやりにくかったり、静脈麻酔には呼吸停止などの全身リスクがあり執刀医とは別に麻酔科医が絶えずモニタリングの必要がありますが美容クリニックでは麻酔科医なしで行われていることが珍しくないという危険性もあります。

静脈麻酔でクマ取りを受けたい場合には、料金だけではなく麻酔科医による適切な管理が術中になされるかどうかも確認を取りましょう。

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この記事の執筆・監修

東京上野・御徒町の美容外科・美容皮膚科 AILE Clinic(エールクリニック) 院長 井原力哉

参考文献・出典

  1. 参照:Lower Lid Transconjunctival Blepharoplasty|StatPearls, NCBI Bookshelf[]
  2. 参照:公益社団法人 日本歯科医師会「歯科麻酔」[]
  3. 参照:局所麻酔薬中毒への対応プラクティカルガイド[]
  4. 参照:Liu C, Wu Z, Tang L, Zhang Z, Li J, Sun X. A Combination of Conventional Transconjunctival Lower Blepharoplasty and Percutaneous Nanofat Grafting in a Young Chinese Population With Eyelid Bags and Tear Trough Deformities. J Cosmet Dermatol. 2025 Jan;24(1):e70009. doi: 10.1111/jocd.70009. PMID: 39846209; PMCID: PMC11755396.[]
  5. 参照:Transconjunctival Blepharoplasty|StatPearls, NCBI Bookshelf[]
  6. 参照:Kubo T. Eye-Opening Effect Achieved by Modified Transconjunctival Lower Blepharoplasty. Aesthet Surg J. 2025 Jan 16;45(2):126-135. doi: 10.1093/asj/sjae205. PMID: 39417359; PMCID: PMC11852279.[]
  7. 参照:公益社団法人 日本麻酔科学会「安全な鎮静のためのプラクティカルガイド」(PDF)[]
  8. 参照:厚生労働省「美容医療の適切な実施に関する検討会 報告書」(PDF)[]
  9. 参照:公益社団法人 日本麻酔科学会「安全な鎮静のためのプラクティカルガイド」[]
  10. 参照:MSDマニュアル プロフェッショナル版「処置時鎮静・鎮痛」[]
  11. 参照:一般社団法人 日本歯科麻酔学会「歯科診療における深鎮静プラクティカルガイド」[]
  12. 参照:厚生労働省「医療の質の向上に関する問題について」第3回 美容医療の適切な実施に関する検討会 資料2[]
  13. 参照:消費者庁「美容医療を受ける前に確認したい事項と相談窓口について」[][]
  14. 参照:独立行政法人 国民生活センター「美容医療サービス」[]

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