ピコレーザー(ピコスポット)でかさぶたにならない5つの理由と対処法を医師が解説 | 東京都上野御徒町の美容外科美容皮膚科エールクリニック|AILE Clinic

コラム

Column

ピコレーザー(ピコスポット)でかさぶたにならない5つの理由と対処法を医師が解説

ピコスポット(ピコレーザー)を受けたのに、かさぶたが全くできない……。

施術後に、治療が失敗したのではないか、効果がなかったのではと不安になる方もいらっしゃいます。

結論からお伝えすると、ピコスポット後にかさぶたができないことは、多くの場合正常な反応です。

この記事では、その医学的な理由から施術後の正しいアフターケア、そして変化しないと感じる方が再受診を検討すべき目安まで、美容クリニック院長の井原力哉が詳しく解説します。

CONTENS

ピコスポット照射後にかさぶたができないことは多くの場合正常な反応

メイクで隠しきれないシミそばかすに対してはスポット照射のレーザー治療がオススメで、日本皮膚科学会の美容医療診療指針でも推奨されております。

シミに対するピコスポットの症例写真(施術前と施術10日後)

シミに対するピコスポット症例写真:施術前と10日後
通常料金:ピコスポット1mm 3300円(税込)、全顔打ち放題99000円(税込)
リスク副作用:赤み、炎症後色素沈着、白斑(色素脱失)など

ピコスポットでかさぶたができないと感じる方の多くは、かつて主流だったQスイッチレーザーによるシミ取りのイメージを持っています。

従来のレーザーでは、照射後に濃い茶色〜黒のかさぶた(痂皮)が形成され、1〜2週間かけてポロッと剥がれ落ちるという経過が一般的でした。

しかし、ピコスポットをはじめとするピコ秒レーザーは、従来のレーザーの光熱作用とは根本的に異なる光音響作用でメラニン色素を破壊しますので分厚いかさぶたに比較的なりにくいという特徴があります。

かさぶたができないことは治療が届いていない証拠ではなく、レーザーの特性によるものと言えるでしょう。

なぜピコレーザーはかさぶたができにくいのか

ピコレーザーの「ピコ」とは1兆分の1秒という極めて短い照射時間(パルス幅)のことを指しますが、従来のQスイッチレーザーはナノ秒(10億分の1秒)の照射時間を持ち、エネルギーの多くが熱に変換されます。(参照:メラニン色素性病変に対するピコ秒レーザーの活用方法

この熱が周囲の表皮組織に広がることで、細胞が変性し、目に見える分厚いかさぶたが形成されていました。

一方、ピコ秒レーザーはエネルギーが熱に変換される前に、光音響効果(Photoacoustic Effect)と呼ばれる物理的な衝撃波(音響波)を発生させます。

この衝撃波がメラニン色素を熱で焼くのではなく、岩石を砕くように物理的に超微細な粒子へと粉砕します。

表皮の細胞(ケラチノサイト)への熱ダメージが極めて少ないため、急激な炎症反応が起こりにくく、スポット照射でも目立つかさぶたが形成されにくいのです。

砕かれた超微細なメラニンは、肌の自然なターンオーバー(約4〜8週間)に従って少しずつ押し上げられ、目に見えないほど薄い角質と一緒に自然に排出されていきます。

反応しやすいシミはかさぶたのようになり1週間ほどで剥がれ落ち、そうでないシミは目に見える変化はすぐに出ずに徐々に変化が出ていく経過となります。

【ナノ秒レーザーとピコ秒レーザーの比較表】

比較項目従来のナノ秒レーザーピコ秒レーザー
パルス幅(照射時間)ナノ秒(10億分の1秒)ピコ秒(1兆分の1秒)
主な作用原理光熱作用(熱でメラニンを変性)光音響作用(衝撃波でメラニンを粉砕)
メラニンの破壊形状熱変性による大きな塊で破壊衝撃波により超微細粒子に粉砕
周囲組織への熱ダメージ熱拡散が生じやすい熱が拡散しにくい
かさぶたの形成厚い痂皮(かさぶた)が形成マイクロクラスト(微細)か形成なし

シミそばかすに対するピコスポットについて詳しく知りたい方は、ピコスポットでシミ取りそばかす除去!効果・ダウンタイム・痛みを解説もお読み下さい。

ピコレーザー(ピコスポット)でかさぶたにならない5つの原因

これからピコレーザー(ピコスポット)でかさぶたにならない代表的な原因を5つ解説します。

原因1:照射モードがかさぶたを作らないモードだった

ピコレーザーには主に3つの照射モードがあります。

照射モード主な対象かさぶたの有無
ピコスポット濃いシミ・そばかす(表皮性)できる場合あり
ピコトーニングくすみ・肝斑・薄いシミほとんどできない
ピコフラクショナル毛穴・ニキビ跡・小じわほぼできない

ピコトーニングやピコフラクショナルは、そもそもかさぶたを作りません。

ピコレーザーの照射モードについて詳しく知りたい方は、ピコスポット・ピコトーニング・ピコフラクショナルの違いは?ピコレーザーの3つの照射モードの種類を効果毎に解説もお読み下さい。

受けた施術のモードを確認することでできなくて当然だったかどうかがわかります。

ピコフラクショナルは主にお肌のハリ改善だったり毛穴やニキビ跡の凹凸治療に用いられる施術ですが、ピコトーニングの場合はシミ治療にも用いられることがあるためピコスポットと混同されがちです。

ピコトーニングは顔全体にまんべんなく低出力のレーザーを照射して少しずつ全体をトーンアップしていく施術であり、くすみや肝斑や淡いシミに対して効果的な施術です。

一方、ピコスポットは濃くて境目のハッキリしているシミやそばかすに対して効果の高い施術です。

シミの種類について詳しく知りたい方は、シミの種類と見分け方を医師が徹底解説!治療法やケアももお読み下さい。

シミのセルフチェック項目可能性が高いシミの種類
左右対称に、同じような場所にある肝斑(かんぱん)
子供の頃から鼻の周りにパラパラあるそばかす(雀卵斑)
色がグレー・紫・青みがかっているADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
触るとザラザラ・盛り上がりがある脂漏性角化症(老人性イボ)
輪郭がコインのようにくっきりしている老人性色素斑(日光黒子)
ニキビや傷跡が消えずに残ったもの炎症後色素沈着(PIH)

参照:しみ(色素斑)|日本形成外科学会

原因2:照射出力が意図的にマイルドに設定されていた

患者さんの肌色が色黒の場合、肝斑が混在している場合、皮膚が敏感な場合などは、炎症後色素沈着(戻りジミ)を防ぐため、医師が意図的に出力を下げて照射することがあります。

出力がマイルドでもメラニンは十分に破壊されているケースではかさぶたにならずに数ヶ月かけて徐々に薄くなるという経過を辿っていきますので長い目で見ていきましょう。

原因3:照射出力が強すぎて組織が瞬間的に蒸散した

逆説的ですが、出力が強すぎても表皮組織が瞬時に蒸散してしまうためかさぶたができないことがあります。

施術直後はシミがすぐ消えたように見えることもありますが、バリア機能が損なわれているため、後から強い炎症後色素沈着が生じるリスクがあり、術後の保湿やUVケアはしっかりと行っていきましょう。

原因4:シミが皮膚の深部(真皮層)に存在していた

老人性色素斑やそばかすは表皮に存在するため、かさぶたが形成されやすいシミです。

一方、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑や異所性蒙古斑や扁平母斑といった母斑(いわゆるアザ)は真皮と呼ばれる深い層にメラニンが存在するため、ピコスポット後にかさぶたが物理的に形成されにくい特徴があります。

これらのシミでは、破壊されたメラニンがマクロファージによる貪食作用などにより体内から排出されるため、術後にかさぶたが生じなくても問題ありません。

原因5:マイクロクラストができているが気づいていない

ピコスポット後に形成されるかさぶたは、傷のような厚いかさぶたではなく、マイクロクラストという極薄の膜状または目立たない黒い点状の微細なものであることもあります。

施術直後にシミが一時的に濃くなった、黒くなったと感じているなら、それこそがマイクロクラストです。

日々の洗顔やスキンケアの中で本人も気づかないうちに自然に剥がれ落ちています。

ピコスポット照射後の経過タイムライン

ピコスポット後に自分の肌が今どの段階にいるのかを時系列で確認してみましょう。

経過肌の状態推奨アフターケア正常・異常の目安
当日〜2日目照射部位の軽い赤み・熱感・腫れ。照射直後に白くなった部位が徐々に茶褐色〜黒みを帯びる摩擦を完全に避ける。熱感が強い場合は清潔な保冷剤で優しく冷却。当日はメイクを避ける正常:軽い赤みと熱感
要相談:強い持続痛・水疱・耐え難い痒み
3日〜5日目赤みがほぼ消失。マイクロクラストが形成され、シミが一時的に照射前より濃く黒く見える徹底した保湿を継続。かさぶたを絶対に剥がさない。泡洗顔を徹底し、シャワーの直撃を避ける正常:シミが濃く見えてカサカサする
要相談:どんどん赤みが広がる
7日〜14日目マイクロクラストが洗顔・入浴で少しずつ自然に剥がれ落ちる。ピンク色のデリケートな新生表皮が露出UVケアを継続。摩擦を避け保湿を継続正常:かさぶたが自然に取れてピンクの肌が見える
要相談:かさぶたが取れず周囲が腫れている
2週間〜1ヶ月新生表皮が安定し始めるが、炎症後色素沈着(PIH)が出始めることがある焦らず摩擦を排除し遮光・保湿を維持。トラネキサム酸などの内服を継続し、ハイドロキノン外用薬を検討◎正常:一時的に再び茶色くなる(戻りジミ)要相談:赤みや腫れが残っている
2ヶ月〜6ヶ月ターンオーバーが繰り返されるたびに炎症後色素沈着のメラニンが体外へ排出され、徐々に周囲の肌と同化してクリアな仕上がりに紫外線対策をルーティン化。必要に応じて追加照射や次の治療を検討正常:くすみが日を追うごとに薄くなる
要相談:半年以上経過しても黒い斑点が色濃く残っている

経過の途中で気になることや心配なことあったらピコスポットの施術を受けたクリニックにすぐに相談するようにしましょう。

かさぶたにならない、または黒いままの時に自宅で実践すべき4大アフターケア

ピコスポット後の経過を最大限に引き出し、戻りジミを防ぐためのセルフケアを4つご紹介します。

セラミド・ヒアルロン酸によるバリア保湿ケアの徹底

レーザー後の肌は一時的にバリア機能が低下し、水分が蒸発しやすくなっています。

乾燥はお肌のターンオーバーを遅らせ、破壊されたメラニンの排出を妨げる大きな原因になります。

セラミド・ヒアルロン酸・アミノ酸が豊富な低刺激な保湿アイテムがオススメで、アルコール(エタノール)やピーリング成分(AHA・BHA)含を含むものは刺激があるので控えると良いでしょう。

1日2回以上、しっかり保湿する習慣をつけていきましょう

紫外線(UV)の徹底ブロックによる色素沈着防止

レーザー後のお肌は紫外線に対して極めて無防備です。

わずかな紫外線でもメラノサイトが過剰反応し、重度の炎症後色素沈着(PIH)を引き起こすことがあります。

外出時も室内でも、ノンケミカルの日焼け止め(SPF30以上、PA++++以上推奨)を毎日使用して、3時間以上経過をすると日焼け止めの効果が切れてきますのでこまめに使用しましょう。

日傘や帽子やUVカット手袋なども積極的に活用して物理的な遮光も効果的です。

紫外線の強い時間帯(10〜14時)の外出を避けるという方法もあります。

洗顔時のに摩擦を加えないことを徹底

物理的な摩擦はピコスポット後の炎症を再燃させ、色素沈着が長引く原因になります。

洗顔料を十分に泡立て、手のひらが肌に触れないほどの泡で包むように洗い、すすぎはぬるま湯で丁寧に行い、タオルで拭く際はゴシゴシ擦らず、清潔なタオルでポンポンと押さえるようにしましょう。

美白内服薬・外用薬によるケア

肌の外側のケアだけでなく、内側からメラニン生成を抑制する内服薬の併用が戻りジミ対策において非常に効果的です。クリニックで処方される代表的なものを紹介します。

薬剤・成分主な作用形式
トランサミン(トラネキサム酸)抗炎症・メラノサイトの活性化を遮断し、メラニン生成を抑制内服薬
シナール(ビタミンC)抗酸化作用・黒色メラニンを無色化する還元作用内服薬
ユベラ(ビタミンE)血行促進による皮膚代謝の正常化・抗酸化作用内服薬
ハイチオール(L-システイン)抗酸化作用・ターンオーバー促進内服薬
ハイドロキノンメラニン生成酵素(チロシナーゼ)の活性を強力に阻害外用薬

特に肝斑のある方に対してはトラネキサム酸内服がオススメですがトラネキサム酸について詳しく知りたい方は、トラネキサム酸は飲み続けても大丈夫?美白効果と副作用を解説もお読み下さい。

ピコスポット後の再受診や医療相談を検討すべき具体的な目安

ピコスポット施術後にいつまで様子を見ればいいのかという疑問を解消するため、クリニックへの相談が必要なタイミングを具体的に示します。

術後に異常な赤み・強い痛み・水疱(水ぶくれ)が生じた

これらは通常のダウンタイムを超えた、熱傷(やけど)や二次感染の兆候です。

経過を見守る段階ではなく、速やかに施術クリニックへ連絡し、適切な医療的処置を受けてください。

施術から1〜2ヶ月経過してもシミの濃さに一切の変化がない

ピコスポットのダウンタイムが落ち着いてもシミに変化が出ていない場合は追加施術含めクリニックに相談をしましょう。

ただし、照射漏れを疑う場合は施術を受けてからできるだけ早めにクリニックに連絡を行いましょう。

6ヶ月以上経過しても黒い斑点が色濃く残っている

半年以上経過してもほとんど変化がない場合は、治療効果が出ていない可能性や、強い炎症後色素沈着が生じてしまっている可能性があります。

別の治療アプローチ(ピコトーニングへの切り替えや複合治療)を検討する段階です。

ピコレーザー(ピコスポット)とかさぶたについてよくある質問(FAQ)

Q1. なぜ従来のレーザーはかさぶたができて、ピコレーザー(ピコスポット)はできにくいの?

A. 従来のナノ秒レーザーは熱でメラニンを変性させるため、周囲の表皮組織にもダメージが及び、厚いかさぶたが形成されます。一方、ピコ秒レーザーは熱ダメージが極めて少なく、砕かれたメラニンはターンオーバーで自然に排出されます。

Q2. ピコスポットでかさぶたができない原因にはどんなものがある?

A. 主に5つの原因が考えられます。①照射モードがかさぶたを作らないモード(ピコトーニングなど)だった、②出力が意図的にマイルドに設定されていた、③出力が強すぎて組織が瞬間的に蒸散した、④シミが真皮層など深部にあった、⑤マイクロクラストができているが気づいていない、です。

Q3. ピコスポット施術後にシミが以前より濃く黒くなったけど大丈夫?

A. ピコスポット施術3〜5日目ごろにシミが一時的に濃く黒く見えるのは、マイクロクラスト(極薄の微細なかさぶた)が形成されているサインであり問題ありません。日々の洗顔などで自然に剥がれ落ちますが、2週間以上経過して濃くなった場合は炎症後色素沈着の可能性もあります。

Q4. ピコスポットの効果はいつごろから実感できる?

A. 反応しやすいシミは1週間ほどでかさぶたが剥がれ変化が出ますが、そうでないシミは2ヶ月〜6ヶ月かけてターンオーバーを繰り返しながら徐々に薄くなっていきます。焦らず長い目で経過を見ることが大切です。

Q5. ピコスポット施術後に気をつけるべきアフターケアは?

A. ①セラミド・ヒアルロン酸配合の低刺激な保湿剤で1日2回以上保湿する、②SPF30以上・PA++++以上の日焼け止めで紫外線を徹底ブロックする、③洗顔時の摩擦を避け泡で包むように洗う、④トラネキサム酸やハイドロキノンなど美白内服薬・外用薬を活用する。

Q6. ピコスポットの後にどんな症状が出たらクリニックに相談すべき?

A. ①術後に強い痛み・異常な赤み・水疱が生じた場合、②施術から1〜2ヶ月経過してもシミに一切変化がない場合、③6ヶ月以上経過しても黒い斑点が色濃く残っている場合、などはピコスポットを受けたクリニックに相談しましょう。

Q7. ピコスポットとピコトーニングは何が違うの?

A. ピコスポットは濃くて輪郭のはっきりしたシミ・そばかすにスポット照射する治療で、かさぶたができる場合があります。ピコトーニングは顔全体に低出力で照射してくすみや肝斑・淡いシミを徐々にトーンアップする治療で、かさぶたはできません。

まとめ

本記事では、ピコレーザー(ピコスポット)でかさぶたにならない場合の原因や対処法を解説してきました。

ピコレーザーを受けてもかさぶたにならない場合は、照射モードの誤解や出力が違うといった理由が挙げられます。

一般的にイメージしているかさぶたとは見た目が異なるだけで、実はかさぶたになっているケースもあります。

照射モードを変更したりアフターケアを丁寧に行ったりして、少しでもシミが改善するよう適切に対処することが大切です。

また、シミトラブルに悩んでいる方や、そばかすの改善をしたい方は御徒町駅から徒歩1分のところにあるエールクリニックにお越しください。

当院では厚生労働省に認可されたエンライトンSRというピコレーザーを使用し、ピコトーニング、ピコスポット、ピコフラクショナルのすべての照射種類をご用意しております。

また、部分的な照射や打ち放題、シミ取り放題のメニューもご用意しておりますので、まずは下記から初回の施術予約をお申し込みください。

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東京上野・御徒町の美容外科・美容皮膚科 AILE Clinic(エールクリニック) 院長 井原力哉

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