トラネキサム酸は飲み続けても大丈夫?美白効果と副作用を解説 | 東京上野御徒町のエールクリニック

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2024.11.14

#美容皮膚科

トラネキサム酸は飲み続けても大丈夫?美白効果と副作用を解説

飲み薬・塗り薬(美白、ニキビ、保湿) アイキャッチ画像

美白へのあこがれ、あなたも感じているのではないでしょうか。
シミ、そばかす、肝斑、くすみ、色素沈着…。お肌の悩みは尽きません。

レーザー治療は効果的ですが、お薬の力を借りてお肌の内側からケアすれば、より一層の効果が期待できます。

抗酸化作用のあるビタミンC(シナール®)やビタミンE(ユベラ®)も良いですが、今回は「トラネキサム酸(トランサミン®)」にスポットを当ててみましょう。

「長期間飲み続けて大丈夫なの?」と不安に思う方もいるかもしれません。
でも安心してください。
基本的には問題ありません。

トラネキサム酸は、アレルギー反応や炎症の治療だけでなく、シミや肝斑の改善にも効果があると厚生労働省から認可されている医薬品成分です。

トランシーノ®の使用目安が2ヶ月となっているため、それで終わりにしてしまう方が少なくありませんが、もったいない。
地道に続ければ、きっと効果を実感できるはずです。

トラネキサム酸の効果や副作用など、気になることを一つ一つ丁寧に解説していきます。
あなたのお肌の悩み、一緒に解決していきましょう!

トラネキサム酸

トラネキサム酸とは?

トラネキサム酸とは「プラスミン」という酵素の働きを抑える作用機序で炎症やむくみや出血を抑える効果のあるお薬です。

血液の凝固を助け、出血を止める働きを持つことから、医療現場で止血剤として使用されています。保険適応だと喉の炎症や痛みを抑える目的で出されることがあります。

また、トラネキサム酸にはアレルギー反応や炎症を抑制する働きも持つため、肌トラブルや喉の炎症、痛みを抑える薬として処方されることもあります。

医療現場で使用されてきたトラネキサム酸ですが、美白効果のある成分としても知られています。炎症を抑える薬として使用していた患者のシミや肝斑が改善したことを発端として、のちにその効果が厚生労働省に認可されました。

トラネキサム酸は現在、美容医療現場でもシミや肝斑の治療で、内服薬や外用薬として広く使用されています。

一部保険適応で肝斑に対してトラネキサム酸を処方している皮膚科の噂も耳にしますが、保険の通る別の病名をつけてレセプトをゴニョゴニョ、まあアウトですね。

トラネキサム酸の効果は?

トラネキサム酸とは「プラスミン」という酵素の働きを抑える作用機序で炎症やむくみや出血を抑える効果のあるお薬です。

保険適応だと喉の炎症や痛みを抑える目的で出されるがあります。

そんなトラネキサム酸ですが、美白効果、特に肝斑に対して効果があるということで保険適用外の自費での処方となりますが昔から使用されていたポピュラーなお薬です。

一部保険適応で肝斑に対してトラネキサム酸を処方している皮膚科の噂も耳にしますが、保険の通る別の病名をつけてレセプトをゴニョゴニョ、まあアウトですね。

トラネキサム酸と肝斑

肝斑は紫外線や女性ホルモン、摩擦などの刺激でケラチノサイト(表皮細胞)が刺激されるとプラスミンが生成されメラノサイト(色素細胞)が刺激されメラニンが増えて移動することで悪化します。

トラネキサム酸はプラスミンの働きやメラニンの移動を抑える効果があります。

2007年には市販のOTC薬としてトラネキサム酸の配合剤であるトランシーノ®が承認され薬局ドラッグストアで入手しやすくなりました。

いつから効果が出るのか?ということについては、最短で1ヶ月ということもありますが、実際には数ヶ月かかることが多いお薬ですのでじっくり治していきましょう。

トラネキサム酸の美白効果とは?

トラネキサム酸には、肌の色素沈着の原因となるメラニンの発生を抑える働きがあることから、シミや肝斑の治療薬として広く使用されています。

ここでは、トラネキサム酸の美白効果について、効果のある症状ごとに詳しく解説します。

抗炎症作用

トラネキサム酸は、アレルギー反応や炎症に効果的な薬です。

トラネキサム酸には、炎症が起こった際にさまざまな物質を活性化させ痛みや腫れを生じさせるプラスミンという酵素を抑制する働きがあります。これにより、特に喉の炎症や痛みを軽減します。

また、プラスミンなどの酵素を抑制することで、アレルギー反応を軽減することも可能です。

こういったことからトラネキサム酸は、皮膚炎や蕁麻疹などのアレルギー反応の治療にも使用されることがあります。

肝斑の治療

トラネキサム酸は、美容医療現場で肝斑の治療薬として用いられています。

肝斑は、紫外線やホルモンバランスの乱れなどによって、皮膚にメラニンという色素が沈着することで生じるシミの一種です。メラニンが褐色もしくは黒色の色素であり、沈着すると肌を黒っぽく見せることでくすんだ肌に見えます。

トラネキサム酸はこのメラニンの生成を抑制できるため、肝斑の改善・予防に有効であると厚生労働省によって認められています。

シミの治療

トラネキサム酸は、美容医療分野でのシミの治療薬としても使用されています。

シミは、紫外線や加齢・摩擦などさまざまな原因によってメラニンが皮膚に沈着することで発生する症状です。トラネキサム酸には、メラニンの生成を抑制する働きがあります。

トラネキサム酸による治療を長期的に続けることによって、シミが目立ちにくい美肌維持の効果が期待できます。

トラネキサム酸が利用されてきた医療の歴史

トラネキサム酸はもともと、抗炎症や抗アレルギー反応または止血を目的とした医療用医薬品として使用されていました。

しかし、炎症を抑えるためにトラネキサム酸を使用していた患者に併発していた肝斑が改善したことが発端となり、肝斑治療としても使用されるようになりました。

1995年に肌荒れ防止の効果があると厚生労働省に認可され、2002年にシミ・肝斑の改善ならびに美白効果のある成分として認可されています。

参照:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

トラネキサム酸の服用方法とは?

トラネキサム酸の服用方法には2つの種類があります。

ここではそれぞれの特徴について、メリットとデメリットを合わせて解説します。

内服する

トラネキサム酸の服用方法の1つが、内服薬による服用です。

医療機関での医師による処方によって、トラネキサム酸の内服薬は手に入れることができます。シミや肝斑の治療は、一般的に保険適用外であるため、薬代含め治療費は全額負担しなければなりません。

医師による適切な診断のもとで適切な量のトラネキサム酸を摂取できるため、高い効果を期待できます。

また、トラネキサム酸はドラッグストアや薬局などで市販薬としても手に入れることができます。病院に行かなくても手軽に購入できる反面、トラネキサム酸の含有量が少ないという点に注意しなければなりません。

シミや肝斑の治療で高い効果を求める方は、市販薬よりも処方薬でのトラネキサム酸の服用をおすすめします。

肌に塗る(塗布する)

トラネキサム酸は肌に直接塗ることによっても、体内に取り入れることができます。

近年は、トラネキサム酸が配合されたスキンケア商品がドラッグストアで手軽に購入できるようになっています。複数のメーカーで取り揃えがあるため、自分の肌質にあった商品を選ぶことができるでしょう。

また、高い治療効果を期待する方は、医療機関のトラネキサム酸配合の薬剤もおすすめです。医療機関の処方薬であれば内服薬と同様、高い含有量のトラネキサム酸の薬剤を処方してもらえます。しかし、肝斑は刺激によって悪化するリスクがある、という点を承知したうえで使用する必要があるため、内服薬もおすすめです。

トラネキサム酸の服用量は?ほとんどの方は飲み続けても大丈夫

トラネキサム酸には250mgの錠剤と500mgの錠剤がありますが当院で採用しているのは250mgのほうです。

Analysis of the effect of different doses of oral tranexamic acid on melasma: a multicentre prospective study

こちらの論文はトラネキサム酸の飲む量を変えて違いがどうだったのかというものです。

量は1日500mg、750mg、1000mg、1500mg(250mgだと2-6錠)で比較されており、長期間飲み続けてもほとんどの方は大丈夫だったとのことです。

肝心の効果については、量をたくさん飲むほど、長期間飲むほど良かったとのことです。

比較的安全なお薬ではありますが、やはり体とお薬には相性もありますし実際に飲んでみないとわからない部分もありますので最初は1日2錠の少なめの量から始めるのが無難でしょう。

増量するのなら少しずつ試していく形になりますが、ピルなどを飲んでいる場合は最低量である1日2錠で続けるのが良いでしょう。

ちなみに、添付文書上では最大で1日8錠まで飲むことは可能ですが、ほとんどの方は1日2-4錠のパターンが多いですね。

たまに1日6錠の方も見かけますが。

もし副作用が心配な場合は何ヶ月か継続していったん1ヶ月休薬を挟むと良いでしょう。

では、なぜトランシーノ®の使用が2ヶ月までになっているかと言いますと、トランシーノの臨床試験の行われた期間が8週間までなので、飲み続けた結果がわかっているのはそこまでであり、薬の説明も8週間となっているわけです。

トランシーノ®の場合はドラッグストアで購入するため使用期間がどうしても控えめになりがちですが、クリニックで処方されるトラネキサム酸の場合は長期で使用できるケースがございます。

トラネキサム酸を具体的にどれくらい飲めるかについては持病や飲み合わせによっても変わってきますので医師に相談して下さい。

副作用など心配な方は一度カウンセリングにてご来院下さい。

トラネキサム酸の副作用は?

トラネキサム酸には、基本的に副作用はないことが多いです。しかし、ごくまれに以下のような症状が出る方がいます。

  • 皮膚のかゆみ
  • 発疹
  • 頭痛
  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 下痢
  • 胸やけ
  • 胃痛
  • 眠気

これから色々挙げていくと不安になる方もおられるかもしれませんがそもそもとしてトラネキサム酸は副作用が出ることが稀なお薬です。

そういったお薬を使っているとトラネキサム酸を飲めないと思っている方も少なくないのですが、持病の程度にもよりますし、トラネキサム酸を少量から試せば問題ないケースもありますのでご相談下さい。

ここでは、上記以外のトラネキサム酸を使用する際の注意点を解説します。

トラネキサム酸を服用できない恐れがある方

血が固まりやすくなる薬を飲んでいる方は、血栓ができるリスクがあるため、トラネキサム酸との飲み合わせには注意が必要です。これには、ピルや更年期障害に対しての薬など、女性ホルモン剤などが該当します。

こういった薬を使っていると、トラネキサム酸を飲めないと思ってしまう方もいますが、持病の程度によって異なります。少量から試せば問題ないケースもあるため、詳しいことは医療機関への相談がベストです。

ただし、トロンビンを使用中の方は禁忌となるため、トラネキサム酸を少量でも服用することはできません。また、コレステロール値が高い方はコレステロールを下げる薬を併用したほうが良いでしょう。

トラネキサム酸で白髪が増える可能性がある?

トラネキサム酸で白髪が増えるという話もありますが、その点に関して医学的根拠は全くありません。

肝斑が目立ち始める時期と白髪が増え始める時期が同時期になることが多々あります。

トラネキサム酸の服用と、白髪が目立ち始めたタイミングが偶然被ったことで、このような話が流れるようになったともいわれています。

まとめ

トラネキサム酸は、医療現場でのアレルギー反応や炎症の治療薬としてだけではなく、シミや肝斑の治療といった美容医療現場でも使用されている薬です。

ドラッグストアでも手軽に購入できるメリットがあります。

また、他の薬との兼ね合いに注意する必要はありますが、基本的には副作用がない場合が多いため、飲み続けることに問題はありません。

しかし、効果が実感できない場合や副作用が出た場合は、医療機関で適切な治療を受けることを検討しましょう。

お肌の施術は手術と違って1回で仕上げるというよりコツコツとやっていくもので、レーザーと飲み薬を組み合わせることで相乗効果を期待できます。

当院ではピコレーザーを照射した日だとトラネキサム酸が割引になるサービスを行っており、また抗酸化作用のあるビタミン剤とのセット価格もございます。

詳しくはお薬の個別ページや料金表をご確認下さい。

美白などのお薬についてはこちら。当院ではトラネキサム酸250mgの錠剤の取り扱いがございます。

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東京上野・御徒町の美容外科・美容皮膚科 AILE Clinic(エールクリニック) 院長 井原力哉

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